みなさんは「水槽に新しい生体を追加してから病気が蔓延して水槽が壊滅的な状況になってしまった」
などという経験はありませんか?
それはもしかしたらショップの生体が病気にかかっており、その生体を治療せずに水槽に導入してしまったことが原因かもしれません
または、初めて新しい生体を追加しようとしているけど、念のために安全に追加できる方法を知っておきたい
今回はこんな方のために生体導入前の「トリートメント」についてご紹介します
トリートメントのやり方

トリートメントのやり方は次の5ステップです
- トリートメント用の水槽(小さめ)を用意する
- トリートメント用の水槽に生体と水を入れる
- トリートメント水槽に家の水槽の飼育水または新しい水をゆっくり入れる(※点滴法またはコップなどで複数回に分けて)
- トリートメント水槽で1週間以上トリートメント(様子見)をおこなう
- 「4.」で問題なければ、水合わせをおこない、水槽に入れる
各ステップについて詳細を説明していきます
1.トリートメント用の水槽(小さめ)を用意する
トリートメント用の小さめの水槽を用意します
目安としては生体を買った時の袋に入っている水で水位が5cmくらい以上になればよいです
2.トリートメント用の水槽に生体と水を入れる
トリートメント水槽内に生体を水ごといれます
このとき投げ込み式のフィルターと室温によってはヒーターを入れてください
3トリートメント水槽に家の水槽の飼育水または新しい水をゆっくり入れる(※点滴法またはコップなどで複数回に分けて)
生体の入っているトリートメント水槽に家の水槽の飼育水または新しい水(カルキ抜きした水道水など)をゆっくり入れます

水の入れ方は水合わせの要領でゆっくりとおこなってください
※生体は輸送で疲れているため、なるべくストレスを和らげる目的
用意したトリートメント用の水槽の水が8割くらいまでなれば準備は完了です
ここからトリートメント開始です
トリートメント水槽で1週間以上トリートメント(様子見)をおこなう
トリートメントとして1週間以上様子見および体力の回復をおこないます
この水槽に入っている間は普通に餌やりをおこなってください
※ただし、投げ込み式フィルターは濾過能力があまり高くないので餌のあげすぎには注意してください
ここでトリートメント期間について説明します
【トリートメント期間が「1週間以上」の理由について】
トリートメントを1週間以上おこなう理由は「白点病のライフサイクル」に関係しています
白点病とは白点虫と呼ばれる寄生虫によって引き起こされる病気のことで白点虫は生体の表皮に寄生するもので、ショップの水槽から持ち込む病気として非常にメジャーな種類になります
この白点虫が生体に寄生してから症状として目に見えるようになるまでに最低でも1週間かかるとされています
白点虫は、魚の表皮を通過して表皮と真皮の境に寄生し、繊毛運動をして、血液や上皮組織の崩壊細胞を食べる。この刺激で、寄生された部位からは多量の粘液が分泌され、魚は体をこすり付けるような動作をする。
https://jnpa.info/b1/ks003.htm
様子見をおこない問題なければ、水合わせをおこない水槽に入れる
1週間以上様子見をおこない白点病などの症状が出ていなければ水槽に導入してください
※その時の導入方法としては水合わせの記事を参考にしてください
もしトリートメントの段階で病気が判明すればトリートメント水槽でそのまま治療をおこないます
トリートメントとは?必要性は?

次にトリートメントの必要性についてご説明します
私はトリートメントは基本的に必要であると思います
その理由としてはこの3つがあります
- 家の水槽に病気を持ち込む可能性を下げることができる
- 導入当初弱って餌の取り合いに負けるのを防ぐ
- 病気が判明した際の被害を最小減に抑え、対処もしやすい
家の水槽に病気を持ち込む可能性を下げることができる
これが最大の理由ですがショップの生体はかなり過密ば状況で飼育されていること多く、その分病気のリスクは高まります
病気の生体を家の水槽に入れてしまうと家の水槽で病気が蔓延していまうのでこれを防ぐためにトリートメントは必要になってきます
導入当初弱って餌の取り合いに負けるのを防ぐ
導入当初の生体というのは水合わせをおこなっているとはいえ、輸送や環境の変化といった要因でストレスを感じ少なからず弱っています
その弱り具合にもよりますが、先住の生体に餌のとりあいに負け、餌が食べられない状態になるとさらに弱って、病気になったり、死んでしまったりする可能性があります
これを防ぐために一定期間隔離することで、十分に体力を回復させることができます
病気が判明した際の被害を最小減に抑え、対処もしやすい
もし、家の水槽で病気が蔓延していることが判明した場合は、その水槽内の生体・飼育水・ろ材・レイアウト素材(ソイルなど)の全てに寄生虫がいる可能性があります
そのため薬や塩などを使って除去する必要があるのですが、薬や塩というのは水草にとって非常に有害なものが多く、枯れてしまうおそれがあるため水草水槽では基本的に薬や塩は使えません※中には水草にも使える薬もあります
そこでトリートメントをしておけばもしトリートメント中に病気にかかっていることが判明しても、そのトリートメント水槽に薬または塩を使えば良いのでお手軽です
トリートメントのタイミング
「ここまで説明しておいていまさらかよ」と思うかもしれませんが、念のため説明しておきます
トリートメントのタイミングは「新たな生体を迎えた時」です
生体が病気になったら?

それではもしトリートメント中に病気が発生したらどうすれば良いのでしょうか?
それは「まずは隔離、そして少しでも早く薬浴または塩浴をおこなう」です
まずは隔離
病気になっている個体を見つけたらまずは隔離してください
他の個体や水槽中に広がるのを防ぐためです
隔離の方法としては
- 小さい水槽に飼育水ごと病気の個体を入れる
- 隔離用水槽にフィルターとヒーターも入れる
です。
薬浴または塩浴をおこなう
生体は病気になるとどんどん体力を消耗していきます
なのでできるだけ早いうちに薬などを使って病気を治療してあげてください
病気ごとに治療法は違うので、その都度しらべるとよいです
※種類によって(コリドラスなど)薬が苦手な種類もいるので注意が必要です(その場合は塩浴をおこないます)
薬を販売しているメーカーのQ &Aのリンクを貼っておくので薬を使う際の参考にしてください
まとめ
今回はトリートメントの必要性とそのやり方についてご紹介しました
まとめとしては
- トリートメントは必要
- 期間は1週間以上
- その理由は、寄生虫の発症までの期間が最低1週間だから
- トリートメントは水槽の導入前におこなう
- トリートメント中に病気が発覚したら、できるだけ早く治療をおこなう
以上でした
トリートメントを理解することで、水槽に病気が蔓延する可能性が格段に下がります
みなさんも生体を導入する際はぜひトリートメントを検討してみてください
それでは楽しいアクアリウムライフを!!
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