初めて熱帯魚を飼おうとしていろいろ調べていると
「水槽に入れる前に水合わせをする」と書いてあることがよくありますよね?
初心者からしたら水合わせなんて必要なものかもわからないし、必要だとしてもやり方がわからないという方も多いのではないでしょうか?
今回はそんな方に向けて水換えの必要性とそのやり方について紹介します
【今回の記事はこんな方向け】
- 水合わせの必要性がわからない
- 熱帯魚を買いたいと思っているけどそのまま水槽に入れていいものか悩んでいる
- 店員さんに、水槽に入れる前に水合わせをするように言われたけどどうしていいかわからない
- 水合わせはどんな時にすればいいのかわからない
水合わせは必要

結論から言うと水合わせは必要です
どんな熱帯魚を飼うにしても基本的に水合わせは必要になります
それでは水合わせはなぜ必要なのか?
それについて次にまとめました
水合わせとはそもそも、熱帯魚の今住んでいる環境(飼育水)から別の環境へと移動させる際に、急に入れると大きなストレスになるからです
急な水質の変化に耐えられず、ストレスを感じて弱ってしまったり、入れた水槽から飛び出して死んでしまうこともあります
そんな熱帯魚への負担を少しでも軽減するために水合わせを行います
水合わせの方法
まず、水合わせには主に2つの役割があります
それは
- 急な水質の変化を防ぐ
- 急な水温の変化を防ぐ
この2つです
水温は熱帯魚が今いる水の温度と熱帯魚を入れる予定の水の温度を合わせ、水質は今いる水と次に入れる水を徐々に入れ換えることを行います
それでは具体的な水合わせの方法についてご説明していきます
点滴法
まずは点滴法です
これは文字通り点滴(1滴ずつ)で水合わせてしていく方法です
点滴法のメリット
この点滴法では水量をコントロールできるので、かなりゆっくりしたペースで水を入れ替えることができます
そのため急激な水質の変化に弱い生体にはこの方法が向いています
【水質の変化に敏感な種類】
- えび類(ヤマトヌマエビやビーシュリンプ類)
- オトシンクルス類
- 幼魚
など・・・
点滴法のデメリット
- 時間がかかる(1〜3時間)
- 時間がかかるので再度温度合わせの必要がある場合がある
- 複数の袋を同時に水合わせするのが大変
具体的なやり方
具体的なやり方としては
- 熱帯魚の入っている袋をそのまま水槽に浮かべる(温度合わせ)
- 袋の中身をバケツに移す
- 水槽の水をバケツに少しずつ移す(点滴での要領で)
- バケツの中の水が倍くらいになったら水を捨てる
- 「4.」を4〜6回繰り返す
- 念の為温度を確認し、同じ温度であればバケツの中の熱帯魚だけを網で掬い水槽に入れる
※バケツについてですが、部屋が寒い時にはヒーターを入れたり、買ってきた熱帯魚の数が多い時はエアレーションをする必要があります
1.熱帯魚の入っている袋をそのまま水槽に浮かべる(温度合わせ)
15~30分程度水に浮かべて水槽内の水温と合わせます

2.袋の中身をバケツに移す

水温が一致したらバケツなどの容器に水と熱帯魚の両方を移す
※移すときは画像のように真っ逆さまにせず、慎重に入れましょう
3.水槽の水をバケツに少しずつ移す(点滴での要領で)

点滴の要領でぽたぽたと水槽の水をバケツに入れてください
ここで水合わせスタートです
【点滴のやり方】
①バケツを水槽より低い位置に置く
②チューブの両端にエアストーンとコックを装着する
③エアストーン側を水槽に入れ、コック側をバケツの淵付近に置いておく(※画像参照)
④コックをストローのように吸いコック近くまで水が来たら指でコックの先を抑える(※水が口に入らないように注意する→多分最初の内は飲むことになります)
⑤指を離すと水が出始める(サイフォンの法則)ので、コックで水量を調整する
【水量の目安】
水というのは25滴で 約1mlらしいので
→1秒1滴で1時間点滴した場合は720ml
→1秒2滴の場合はその倍(1440ml)
→・・・
1時間にどれくらいの水を入れ換えるかで考えると分かりやすいと思います
ちなみに我が家でヤマトヌマエビを水合わせするときは1秒3~5滴で1~1.5時間水併せをおこなっています
4.バケツの中の水が倍くらいになったら水を捨てる

バケツの中の水か最初の量の倍量になったくらいで半分捨ててください
(※捨て方は何でもよいですが、コップのようなもので掬うとやりやすいです)
5.「4.」を4〜6回繰り返す
「4.」の作業を4~6回繰り返してください
※ちなみに6回やった場合は98%以上が水槽の水になっている計算です
6.念の為温度を確認し、同じ温度であればバケツの中の熱帯魚だけを網で掬い水槽に入れる

バケツの中から熱帯魚だけを掬い入れてください
熱帯魚だけを入れるのは仮にペットショップの水に病気が入っていた場合に家の水槽にその病気を持ち込まないためです※病気を持ち込むのをさらに防ぐ手段として「トリートメント水槽」というのがありますので今後解説していきます
道具を使わないやり方
次にチューブなどの道具をいっさい使わない方法です
この方法では先ほど点滴法の時に紹介したチューブやバケツなどを何も使わないので道具を準備できていない場合にも使うことができる簡易的なやり方です
メリット
簡易的なやり方のメリットは
- 道具がなくてもおこなえる
- 点滴法に比べて早く水合わせができる
- 温度合わせの必要がない
このようなメリットがあるので
- 水質の変化に強い
- 水質の変化よりも水質の悪化に弱い
このような特徴がある生体にはこの方法のほうが向いているかも知れません
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デメリット
このやり方のデメリットとしては次のとおりです
- 点滴法に比べて水質の変化が急
- 袋の中の水が水槽に入る可能性がある
買ってきた袋の中の水、要するにお店の水槽の水を水槽に入れるのは実はリスクが高いです、それは病気を持ち込む可能性があるからです
具体的なやり方
具体的なやり方は次のとおり
- 熱帯魚の入っている袋をそのまま水槽に浮かべる(温度合わせ)
- 浮かべたまま、袋の口を開きその中にコップ等で水槽内の水を少し入れる(袋の中の水の25パーセント程度)
- 15〜30分放置
- 袋の中の水を捨て(先ほど入れた量くらい)、「2.」と「3.」行う
- 「4.」を3〜4回おこなう
- 中の熱帯魚だけ掬って水槽にいれる
どういった時に水合わせが必要なのか?

水合わせが非必要なタイミングをまとめましたのでご覧ください
- 熱帯魚を買ってきた時(導入時)
- 別の水槽へ移動させるとき
熱帯魚は水質や温度の変化に敏感でストレスを感じさせないために水合わせはあります
もし上で挙げた状況のほかにも「ここでは水合わせをしておいた方がよい」と思ったらしておけば間違いないと思います
注意事項

最後に水合わせの注意事項を紹介します
それはあまりに長い時間はやりすぎないことです
水合わせは水質や水温の急激な変化によるショックを和らげるための方法ではありますが、
あまりに長時間やりすぎると水の量が少ないバケツの中などでは熱帯魚の糞からアンモニアなどの有害物質が発生してしまい、弱ってしまったり時には死んでしまうことがあるからです
なので水量にもよりますが長くても3時間くらいにしていた方が良いと私は思います(※あくまで小型熱帯魚の場合です)
【糞などから発生する有害物質についてはこちらの記事で解説しています】

まとめ
今回は「水合わせの必要性とその方法」についてまとめました
まとめとしては
- 水合わせは必要
- 水合わせには水質と温度変化によるショックを軽減させる意味がある
- 水合わせの方法を2種類、それぞれのメリットと合わせて紹介
このような流れで説明しました
初めの頃は機械的な作業ですが、慣れたり知識が増えてくると
「この生体は水質の変化に強いし元気そうだから、簡易的な方法でやろう」や「この生体は弱っているみたいだからゆっくり点滴法で水合わせしよう」などが判断できるようになってきます
私も初めのころは水合わせがよくわかっていなくて数多く失敗してきました
しかし、今では水合わせが原因で熱帯魚を弱らせることはほぼなくなりました
※実際ここ2年くらいは水合わせが原因(導入後1〜2週間)で死なせている個体はいません
生き物相手なので絶対はありませんが、なるべく長生きさせるためにとても重要な水合わせ
理解を深めて楽しいアクアリウムライフをエンジョイしてください
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